手術の翌日、「今日から歩いてもらいますよ。頑張りましょうね。」
最初は看護師さんについてもらって一周。あとは自分で頑張って練習して、「一人で歩いてレントゲン室にも行ってもらいます。」
・・・の予定が、歩くどころか座れない!身体をベッドに腰掛けようとしたとたん、吐き気と冷や汗とで、はぁはぁと苦しいこと。無理だァ。
「しばらく休んで、また頑張りましょう」
一時間ほどして、またやってきた看護師さんは、「ゆっくり身体を起こして・・・」優しく手を添えてくれるけど、やっぱりダメ。1分と座っていられない。
レントゲンは午後にしてもらいますから、また頑張りましょう・・結局、その日はレントゲンの機械を病室まで運んで撮ってもらった。
次の日の朝もだめだった。情けない・・・歩けなければ、何も進まない。管が外れても、トイレにも行けない。
回診があって、その中の一人の女医さんが「背中から入っている痛み止めがじゃましていることもありますから」安心して、というように、ニコッと笑ってくれた。
主治医も来て、「落としてみましょう」
看護師さんが血圧を計る。「これなら大丈夫かもしれない」
座っても大丈夫。あ、立てた! ソロソロと病棟内を一周する。「あとは、自分で頑張ってね」
怠け者の私は、ガンバラナイ。こんなフラフラで、一人で歩いたら転ぶかも知れないもんねー。
私が、根性無しなんじゃない。原因があって、薬で血圧下がるから身体起こしたとたん貧血、だったんじゃない。まずは外的要因を疑え、だわ。ガンバルもガンバラナイもないじゃない。心の中で毒づいてみる^^;
次男が来て、「一緒に歩こうか」。息子に手を取ってもらって歩くのは恥ずかしいけど。
「日頃の運動不足がこういうところに出るんだよ」「呼吸の練習もしてなかったでしょう」・・・口にパイプをくわえて、フーフースースー、馬鹿らしくてサボってたんだった。医療機関に務める次男は、優しいけど、手厳しい。
流動食が始まっていた。
夜、またトイレの中で、フラフラになる。気持ち悪い・・・。トイレでナースコールは恥ずかしいから、回復するまでじっと座って待って、ようやく歩き始めたら、看護師さんが「どうしたんですか」病室まで連れて行ってくれた。吐き気止めの点滴をしてもらい、やっと寝る。
次の日も同じ。
ちゃんと時間をかけてゆっくりよく噛んで食べていますか・・・時計、前に置いて、時間見ながら30分かけて食べているわよ・・・食後、すぐに横にならず、上半身持ち上げて、しばらく休む、それもしてるってば。それでも半分しか食べられないのに、気持ち悪くなる。お腹も痛くなる。冷や汗も出る。それって、私のせい?私がガンバらないから?
一日6食、おやつに「うどん少々」だの「おじや少し」だのは、もう食べないことにした。ウエハス、カステラの時は食べる^^;
夕食と一緒に置いておかれる「9時の夜食」も食べない。第一、9時消灯じゃん。「寝しなに物を食べるな」って親に言われてきたしさ。自分のお腹は自分で大事にする。
か細げに「食べられなくて・・」と言えば、看護師さんも「いいんですよ。無理に全部食べなくても」優しく言ってくれる。
金曜日、主治医が「月曜に抜糸して退院です」えーっ、こんなに調子悪いのに?
3分の1になった胃に身体全体が慣れるまで半年くらいかかります。ゆっくり慣れて行ってください。
私のフラフラ具合を見ていた家族は、誰も月曜に退院出来るなんて思っていない。すみません、迎えの都合がつかないので火曜日にしてください。
退院となったら、急に元気になったような気がする。今食べていいもの、食べられないもの、ちゃんと考えて、美味しく作ろう。工夫しよう。マイペースで過ごせるじゃん。
家に帰って来たら・・ショックなことに、猫のジーナが私を忘れてる!たったの8日間なのに?ふすまの向こうからじっと私を見て、さっと逃げる。
猫は人につかないというけど、あんまりじゃん。撫でてやればゴロニャンするけど、人様に撫でられているような距離感。ま、いいさ、そのうち・・
朝は薄いミルクティーに柔らかいパンを一口。10時のおやつは、フルーツとヨーグルト。お昼は煮込みうどん。半玉でも今は多くて、残してしまうけど。3時は、蒸しケーキだったりプリンだったり。これも、半量なんて言われなくても、半分も食べられない。自分の胃がストップをかけてくれる。
夕飯はおかゆお茶碗半分とあれこれ。百均で買った小さな土鍋でコトコト煮たおかゆの美味しいこと。
夜食は食べない。胃が重くなつてしまう。
カルシュウム不足かも知れないし、カロリーも足りていないかもしれない。でも、いいじゃん、メニュー通りにガンバらなくったって。無理して食べて気持ち悪くなるより、快適に過ごせたほうがいいもの。そのうち、食べたくなってくるに決まってる。今、多少痩せても、ちょうどいいくらいなのだし。
全然お腹が空かないので、今日はお昼もおやつ兼で、バナナ半分で済ませてしまった。そしたら夕方お腹がすいて、久しぶりの空腹感だ!とうれしくなった。
♪がんばらなくてもいいでしょう
私なりのペースでもいいでしょう
拓郎のこの歌が、やっと馴染んだ・・・・
長男が言う。「ついでにお腹の脂肪吸引もしてもらえば良かったのに」・・・馬鹿!